3歳女の子を育てられているママさん、パパさん!
なんだか最近、わが子の口が達者になってきていませんか?
お話が上達した3歳女子とのおしゃべりは友人と話しているような気分になれますし、非常に楽しいです。
しかしその反面、生意気とも感じてしまうわが子の口ぶりにイラっとする場面もありますよね。
口が達者になるというのは、こちらの発言に対して言い返したり言葉で反抗したりする機会が増えることでもあるからです。
わたしも、口が達者な3歳半の娘にイライラして、感情的に反論しては反省するループに陥っていました。
このままではいけない・・・!と学びを深め、トライ&エラーを繰り返し、最近ようやく娘との関わり方に光が見え始めました。
そこで今回は、口が達者になってきた3歳の女の子と、喧嘩をさけてハッピーに過ごすコツを5つご紹介していきます。
教育業界に携わった12年間で身に付けた知識と自身の子育ての経験をもとに説明していきますので、ご興味がある方はぜひご一読ください。
口答えする原因は3歳児の発達特徴にあり?!

3歳女の子が口達者になり口答えが増えてくるのは、3歳児の発達の特徴に大きく関係しています。
初めに3歳児の発達特徴とはどのようなものか確認していきましょう。
- 第1次反抗期(イヤイヤ期)の最中である
- 社会性が発達する
- 言語力が発達する
これらの3歳児ならではの特徴が絡み合うことで口達者な姿が生まれると考えます。
以下で詳しく説明していきますね。
なお、以下でご紹介する特徴はすべての子どもに該当するわけではありません。
一人ひとりが異なる個性をもち発達の過程もそれぞれ異なりますので、あくまで目安としてご覧くださいね。

当てはまらなくても、自分やお子さんを否定しないでくださいね!
3歳児は第1次反抗期の最中である
3歳児の大きな特徴は、第1次反抗期真っ最中の月齢という点です。
第1次反抗期とは俗にいうイヤイヤ期のことで、3歳児でも継続している場合が多くあります。
3歳ごろの子どもは、何をするにも自己表現をしたいというエネルギーに満ちています。
3歳児の『自我の芽生え』は自己を確立するための重要な基盤であり、自分が主張することで『自分は一人の人間だ』ということを確認しているのです。
この3歳児がもつ第1次反抗期という特徴が、口答えすることの基盤になっています。
3歳児は言語面で大きく発達する
3歳児は言語面で大きく発達し言葉でのコミュニケーションも流暢になります。
3歳のお子さんをもつママ・パパはお子さんとの会話が楽しめるようになってきた方もいるのではないでしょうか。
そんな3歳児の言語面での発達の特徴を以下にまとめてみましたので、確認していきましょう。
- 3語文を話し始める
- 語彙数は約1000語
- 大小や長短、高低や色などの概念を理解する
- 自分の気持ちを短い文章で言える
- 会話のキャッチボールができる
- 質問が増える
- 「明日」「あとで」など、未来を示す言葉を使える
発達には個人差がありますので一概には言えませんが、一般的な特徴としては上のように発達すると言われています。
語彙力も増え、新しく覚えた言葉をつかえるようになる3歳さんは、言葉で事実を伝えるだけに留まらず自分の気持ちを伝えられるようになるところも大きなポイントです。
3歳児は社会性が発達する
3歳児は社会性にも大きな発達が見られます。
以下で一般的な3歳児の社会性の発達を見ていきましょう。
- 友達との関わりが増える
- ルールを理解し始める
- 思いやりが芽生える
- 自己中心性が強い
3歳児になると、「ママ・パパと自分」の関係から一歩外に出て友達に興味を持ち始めます。
ルールや物事の秩序を理解できるようにもなるため、『順番を待つ』『‟貸して”と言う』などのやり取りが可能になります。
思いやりや共感という感情が生まれ始めるため、お友達を心配する姿も見られるでしょう。
一方で、『自分が感じていることを相手も感じている』という自己中心性や、自分の気持ちを言葉で伝えきれないもどかしさから、相手に手を出してしまう場面が見られることも多いです。
第1次反抗期と言語面などでの成長が重なり、口答えにつながっている
さて、ここまで3歳児の特徴『第1次反抗期の最中である』『言語面で大きく発達する』『社会性が発達する』をご紹介してきました。
3歳児が口が達者になり口答えが増える理由は、これらの特徴が絡み合っているからであると推察されます。
つまり、自分が他者とは違う人間ということを、自分がもつ言葉を一生懸命使ってこちらに訴えている姿が『反抗的である』『口答えがすごい』と捉えられてしまうのですね。



口答えするのは『パパ・ママに歯向かいたい』という気持ちだけではなかったんだね!



発達の過程だと思えば、こちらの気持ちも楽になるわ!
口が達者な3歳女の子と穏やかな時間を過ごすコツ5つ


ここからは、口が達者な3歳女の子と穏やかな時間を過ごすコツを5つご紹介します。
口が達者になる理由が3歳児の発達に影響していることはわかっても、いざわが子に口答えされるとイライラしてしまいますよね。
以下の5つの対応は、わが子との間のピリついた空気を穏やかにするヒントになると思います。
私自身、この5つに気を付けて娘と関わると、娘の反抗的な態度が一変しスムーズに話を進められることが増えました。
以下で詳しく見ていくので、お子さんとのコミュニケーションで取り入れられるものがあれば、ぜひ試してみてください。
コツ1:自分と子どもとの『空間』を意識し、対応を選択する
子どもが口答えしてきたとき最初に取りたい行動は『自分と子どもとの“空間”』に注意を払い子どもへの対応を選択する』意識をもつことです。
なぜなら、この手順を踏むと自分の怒りをコントロールでき、落ち着いて子どもに向き合うことがかなうからです。
アンガーマネジメントの1つといっても良いでしょう。
私は大いに心当たりがあるのですが、子どもが口達者に反抗してきたとき、ついカッとなり反射的に強い言葉を放っていませんか。
そんなときは是非以下の手順を踏んでみてください。
- 子どもとの間の空間を意識する
- 自分の感情を守る
- 子どもを落ち着かせるための最善の対応を考える
『子どもと自分の間の空間』が想像しにくい場合は、コロナ禍でよく使用されていたパーテーションを想像しても良いかもしれません。
この空間を意識すると、子どもの強い言葉に共鳴し怒りが溢れる前に自分を自分の世界に引き戻し、落ち着きを取り戻せます。
自分が落ちつけたら、次は反抗的な言葉を放つ子どもを落ち着かせる番です。
以下に紹介する4つから、状況やお子さんに適したものを選択してみてください。
コツ2:子どもの話を最後まで聞く
子どもとの話を最後まで聞くことが、子どもとの穏やかな時間を過ごすうえで非常に大切です。
『話を最後まで聞く』はいろいろなところで耳にするポイントですよね。
しかし、子どもが口答えしてきたときに子どもの話を最後まで聞けているでしょうか。
我が家で実際にかわされた3歳娘との会話から見ていきましょう。



ご飯できたよ~!



今テレビ見てるの!!



そんなこと言ってないでテレビ消して!!



やだ!!まだ見たいの~!!!!
一見、子どもの話を最後まで聞いて言葉を返しているように思えますが、実はテレビを見たいという子どもの話を聞くことなく、親の事情を押しつけています。
それを以下のような対応に変えてみるとどうでしょう。



ご飯できたよ~!



今テレビ見てるの!!



テレビ見てるのね!まだ見たいのかな?



そう、まだ見たいの!



そっか!もうご飯できたけど、まだ見たい?それとも見てから食べる?



うーん、じゃあ見てからにする!
このように、子どもの「テレビを見ている」という話を聞くことで子どもは自分をわかってもらえたと感じ、こちらの話にも耳を傾けてくれるのです。
3歳児は自分ですべての気持ちを言葉にできないため、親が子どもの気持ちを引き出す質問をしてあげるのも重要なポイントです。
口答えをしてきたときこそ、子どもの主張に耳を傾けることがおすすめです。
コツ3:いったん肯定する
子どもが口答えしてきた際におすすめの対応は、子どもの主張をいったん肯定するということです。
子どもは親に肯定されることで自分を認めてもらえたと感じ、抱えているモヤモヤや苛立ちを落ち着かせられるからです。
とはいえ、口達者な子どもが反抗してきたら肯定する前にこちらの主張を伝えてしまいがち。
子どもの反論は親からすれば間違いだらけですし、正しい答えを教えたくなりますよね。
そんなときも、一度ぐっと我慢して「そう思ったのね!」と肯定してあげてください。
肯定は子どもの主張に従うことではないので、いったん肯定したら親の主張を伝えて大丈夫。
ただ、親の思いを伝える前に子どもの意見を肯定してあげるだけで、こちらの思いが伝わりやすくなります。
是非意識してやってみてくださいね!
コツ4:正しい伝え方を教える
子どもが口答えしてきた際に気を付けたいのが、『正しい伝え方を教える』です。
『口答え』は子どもが正しい言葉のつかいかたを学ぶ絶好の機会とも言えますね。
言葉で反抗してきたときは、ぜひ子どもに正しい表現の仕方を教えてあげましょう。
- その言い方では相手の気分が悪くなることを伝える
- 子どもが落ち着いて、要求を伝えられるように促す
- 親が理想的な伝え方の手本を示す
たとえばお子さんが『お菓子が欲しいって言ってるじゃん!』『ママもいつも食べてるじゃん!』と反抗するとします。
その時は、『そんな言い方だとママは買ってあげたいと思えないよ』『お菓子買ってって優しく言ってごらん?』と伝えてあげてください。
そしてお子さんが正しくお願いできたときに、その要求を叶えてあげるとよいでしょう。
口答えは悪いことではありませんが、正しい伝え方を具体的に教えてあげることは親として重要な役割といえますね。
コツ5:子どもへの『話し方』『伝え方』を工夫する
最後のポイントは、子どもへの『話し方』『伝え方』を工夫することです。
お子さんが口答えしてきた際にストレートな言葉や言い方で返すと、かえってお子さんの反感をかってしまう場合があります。
私が娘に効果があったなと感じる伝え方を下記にご紹介しますので、お子さんに合いそうなものがあれば試してみてください。
- 語尾に音符♪がつくように話す
- プリンセスになりきって話す
- ぬいぐるみを使って話す
- 頭を撫でながら話す
- 手を握りながら話す
お伝えしたいのは、2点です。
まずは、お子さんの好きなものを利用して話すことです。
娘はプリンセスが大好きなので、自分がゴーテルになりきって「ラプンツェル~お片付けして~♪」というと高確率でお片付けを開始してくれます。
ぬいぐるみを使って話しかけるのも娘には効果的で、ぬいぐるみの言うことのほうをよく聞いてくれる娘です。
みなさんも、お子さんが好きなことを取り入れながら話をすると、よく聞いてくれるかもしれません。
次に、スキンシップをしながら伝えることです。
スキンシップのメリットは、母も娘も落ち着けること。
双方が落ち着くので、話が伝わりやすくなります。
イライラをぶつけてしまっても大丈夫!わが子とのリカバリー方法


ここからは、子どもにイライラをぶつけてしまった後の対応をある動画をもとにご紹介します。
その動画とは、Becky Kennedyによる『The Single Most Important Parenting Strategy』 です。
この動画は心理学者のBeckyさんが『唯一にして最も重要な親のやるべきこと』というタイトルで、子どもに怒鳴ってしまった後の対応を『修復』というキーワードをもとに紹介する内容です。
ここまで子どもと穏やかに過ごすためのコツをお伝えしてきましたが、いくらコツがわかったとはいえ、口答えしてくる娘にこちらの感情を100%コントロールして向き合えるかというと、私は自信がありません。
そんな時私がお守りにしている動画が、こちらです。
私はこの動画に出会って怒鳴ってしまった後に自己否定することが減りましたし、娘に声を荒げてしまった後はこの対応をするように心がけています。
下に動画のポイントをまとめますので、興味のあるかたはご覧ください。
怒鳴ってしまった後におすすめの『修復』とは
子どもに声を荒げてしまったあとに是非してほしい行動は『修復』です。
子どもに声を荒げることは子どもにとっては良い行動とは言えません。
ただ、親が子育てをするうえでどうしても声を荒げてしまうことがありますよね。
そんな時『修復』という行動をとることで怒られた子どものケアができるのです。
修復のステップは以下の通りです。
- 自分がやらかしたことを自覚する
- 修復できると言い聞かせる
- 修復を怠ったらどうなるか考える
- 自分自身を修復する
- 親子関係を修復する
この過程を経れば、『子どもを怒鳴ってしまった』という事実を『子どもとの絆を深める』事実に変えられるので、ぜひ参考にしてみてください。
次から1つずつ解説していきますね。
1:自分がやらかしたことを自覚する
まずは自分がミスを犯したことを自覚するのが大切です。
例えば保育園に行きたくないと反抗する娘に、『もういいから行くの!!!』と怒鳴ってしまったと仮定しましょう。
その後、『やってしまった、娘にひどいことを言ってしまった』と事実を受け止めることが重要です。
自分の行動を見て見ぬふりをせず、事実を受け止める…なかなかヘビーですね。
しかし、これは自分を責めることとは違います。
まずは、事実だけにフォーカスするようにしましょう。
2:修復できると言い聞かせる
自分の行動を受け止められたら、『大丈夫、自分は修復できる』と言い聞かせましょう。
『やってしまった→でも大丈夫』と心を向けることで、本来の落ち着きを取り戻せます。
すると、今目の前で起きている問題に向き合えるようになるのです。
3:修復を怠ったらどうなるか考える
次に、もしこのまま修復しなかったら、どのような影響が子どもに起きるか考えることが大切です。
親が子どもに怒鳴ったままにしておくときに考えられる子どもへの影響は以下の通りです。
- 自分が悪いと思う
- 愛されない子なんだと思う
- 自分は必要ないと思う
心が成長中の子どもが、親から怒鳴られたときに自分で頑張って導き出す答えは『自己非難』だといいます。
親からすれば子どもを愛するがゆえに、子どもに対して厳しく対応したとしても、子どもには違う伝わり方をしてしまうのですね。
自分が怒鳴ってしまったことで子どもが『自分は愛されていない』と感じてしまうのは絶対に避けたいと思います。
そこに思いをはせた時、『修復』しようと心が決まるのではないでしょうか。
4:自分自身を修復する
修復しようと心を定めたら、まずは自分自身を修復します。
子どもに向き合う前には安定した自分でいることが大切だからです。
ポイントは『アイデンティティと行動を分けて考える』ことです。
たとえば、行動『自分はひどいことをしてしまった』アイデンティティ『でも、私は子どもを愛している』のように考えます。
私たちはともすれば『自分はひどいことをしたから、私はひどい母だ』と、行動とアイデンティティを同じように考えてしまいます。
しかし、自分が取った行動が誤っていただけで、自分自身に良い心があるということを忘れてはいけないそうです。
このように、行動と自分を分けて考えることで自分自身が回復し、子どもに向かい合う準備が整います。
5:親子関係を修復する
ついに最後のステップ、親子関係を修復する段階に入りました。
やり方は以下の通りです。
- 出来事を特定する
- 責任を取る
- 次はどうするかを考える
具体的例を通した修復の仕方を見ていきましょう。
①子どもに対して「保育園に行かないと言ったときに、大きな声を出して起こってしまったね」と伝えます。
②「大きな声を出していけなかったね。ごめんなさい」と責任を取ります。
③「これからは、静かに伝えられるように気を付けるね」と伝えます。
この3ステップで、子どもとの関係を修復できました。
意外とシンプルだと思われましたか。
修復する上で重要なポイントがありますので以下でご紹介します。
親子関係を修復するうえでのポイント
『修復』のうえで重要になるのは『修復』をする過程で言い訳をしたり、子どもに直してほしかったことを伝えたりしないことです。
例えば「でも、○○ちゃんが早く保育園に行くって言ってくれたら、ママ怒らなかったんだよ?」 などが当たります。
……ぎく。
そう思った方はいませんか?私もついやってしまいます。
こう伝えると、結果的に子どもは自分が責められていると感じてしまうため相応しくないそうです。
修復するうえでは、自分が取ってしまった出来事にフォーカスして行うことが大切です。
子どもに直してほしいことは、日常的に伝える
「『修復』では、子どもが悪かった点は伝えるべきではないとわかったけれど、それじゃあ子どもの行動がなおらないのでは?」と思われるかたもいるのではないでしょうか。
子どもにしてほしい行動は、日常的に子どもに落ち着いて話すことが重要といいます。
例えば一緒にお風呂に入っている時や、ご飯を食べている時、歩いているときなどに、子どもとの会話で、お子さんに伝えてみてください。
そうすることで、お子さんにもすんなり言葉が伝わっていくそうです。
『修復』のメリット
修復のメリットは、『怒鳴られた』という事実から子どもが感じ取るメッセージを、否定的なものから肯定的なものに変えられるということです。
怒ってしまったという事実は変えられませんが、子どもの受け取り方を変えられるのは、ものすごいことです。
修復をしなければ『自分は嫌われている』『自分はダメな人間だ』と感じさせてしまうことになります。
しかし修復を行えば、子どもは『自分は愛されている』『ママ・パパは自分のことを考えてくれている』『自分は尊重されている』と考えが変わるのです。
子どもを傷つけないためにも、ぜひ『修復』に取り組んでいきたいですね。
まとめ
本記事では、口答えをする3歳の女の子に悩むママ・パパに向けて、『3歳児が口答えをする原因』『3歳娘と穏やかな時間を過ごすコツ』をご紹介。声を荒げてしまったあとの対応をお伝えしてきました。
3歳児が口達者なのは順調に成長している証なので喜ばしいことではありますが、やはりイライラするのは避けられません。
育児に必死に向き合うこそお子さんに声を荒げてしまうのは当然のことですし、もしも自分がとった対応で後悔したとしても、自分を責めなくて大丈夫とお伝えしたいです。
そんな時はぜひ、『修復』の時間をとっていただき、お子さんとご自身を肯定してあげてくださいね。
みなさんとお子さんとの日々が、より豊かになることを祈っています。
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